日本の文化を日本人自身がもっと知るべき時期かも

某番組で、良い蕎麦を打ちたいフランス人が紹介されていた。そう言えば日本人でも自分で蕎麦を打つという人は聞かなくなった。ひと昔前は、引退後蕎麦打ちに嵌ってしまったという人が偶にいたような気がする。日本には蕎麦名人がいて美味しい蕎麦を簡単に食べることができるからか日本人でも蕎麦を打つ人は珍しい存在となってしまった。そこにフランスでフランス人が挑戦しているとは、、、。

紹介されていた蕎麦名人の作る蕎麦は蕎麦粉の作り方からして繊細な作業がしてあった。元々蕎麦は米を作ることができない地であったから仕方なく作り始めたらしいがそれをここまで美味しく食べられるようにしたのは日本人ならではの知恵と工夫があったからこそだろう。

それにしてもあの生地を捏ねる姿は、フランスパンを捏ねる姿と重なる。そう言えば、フランスパンを日本で作る人は逆に増えたような気がする。蕎麦程丁寧な工程を踏まなくても出来るからなのだろうか。紹介されていた外国人は丁度フランスに住むフランス人。何だか、日本に住む日本人に対して皮肉が込められていたのでは、とふと思った。

日本庭園をこよなく愛すポーランド人も紹介されていた。番組の担当者がとぼけたことを言ったことに対し、「日本人だからこんなこと知っていると思った」等と言い返す姿は正に皮肉が込められていたのではないか。これは良い。

それにしても世界で評価されている足立美術館が日本人にあまり知られていないということに目を付けて紹介されたことは良いことだ。毎日の庭師の地道な作業の繰り返しで美しい姿が保たれていることも紹介されなければ分からなかった。そのポーランド人が言うように、庭を管理している庭師の写真を美術館に掲げたりする等、その庭師達はもっと評価をされても良いだろう。それでなければ若い人は辞めて行ってしまうのではないか。

それにしても日本の美意識についてあらためて、ポーラント人の口から学ぶとは、、日本人自身が自国の美について語れるようにならなければ恥ずかしい。そう気づく人も増えてきた、そんな時期に来ているのかもしれない。