果物が高くなった

果物が高くなった。

 

先日、果物店で見た蜜柑が、一個800円(贈答品で箱入りで個数割り計算)で売られていた。同じ日に百貨店で購入した砂糖を塗したマスカット・巨峰が一粒400円であった。何だか、昔の果物と今の果物は別物になってしまったような気分だ。勿論、初セリで落札される特別なものは前から高かった、が普通にお店で売られているものまでとても高くなってしまった。だが、果物そのものは美味しくなったというか甘くなった。だから仕方がないことなのか。

 

どこかの党の人の話によると、昔はイチゴは酸っぱかった。スイカも今ほど甘くなく野菜として扱われていたかもしれない。そういえば、その人が言うように、イチゴはコンデンスドミルクを掛けて食べるとその酸味とマッチして美味しかった。スイカは、甘く感じさせる為に塩を振って食べる大人も居た。それはそれで美味しかったのだ。今は甘くなり過ぎて果糖が随分昔より多くなっていそうだ。となるとそれと引き換えに栄養素はどうなっているのだろう。酸味が少なくなったからビタミンCは減ったのではないか。

 

必要な栄養素が少なくなり、果糖が多く含まれるようになったから、昔のように沢山食べるものではなくなってしまった。作り手は高齢化が進み、後を継ぐ人があまりいないから、生産量も少なくなり、価格は益々高くなるだろう。

 

果物は日常の栄養源から、嗜好品になっている傾向にあり、寂しい限りだ。美味しくなるのは結構だが、人々の日常の栄養源であるという側面も考え作られて欲しいものだ。必要な栄養素は残り美味しくなる。又、生産者が減って行かないような、後を継げるようになる(利益になるビジネスになるような)為の果物を作る動機付けがある仕組みが欲しい所だ。