人生百年時代と言うが

巷では近年になって人生百年時代と言われ始めたが、自分は昔から100歳は通過地点である、と思っていた。自分の曾祖母も他界した時は100歳を超えていたからだ。医療技術が進歩した我々の時代は、もっと長生きすることになるだろうと思っていた。

 

しかし、逆に自分は近年になって本当に我々は100歳まで普通に生きられるのか疑問に思う。

まず、食べ物が違う。ひと昔前は今より人々は天然/自然のものを多く食していた。今は飽食の時代と言われ食べ物は豊富にあるが、様々な添加物が入った加工食品があふれている。人工的に手を加えられて人体に悪影響があるものも普通に売られている。あらゆるものを疑ってかからないと、そういったものを食してしまう環境にある。

又、交通事情も違う。ひと昔前は交通手段は今程多くなかった。今は街に車やバイクが多いから交通事故に遭う確率は格段に高くなった。列車や飛行機は日本では比較的安全だが、ジェット機やヘリコプターに乗る人も増えた。事故のニュースを聞くことは昔と比べて、かなり多くなった。

さらに、今は昔と比べて人間関係のストレスが多い。昔は一定のコミュニティで暮らしていることが多く、似通った考えやお互いの理解がある中で生きていた。今は、様々な地域や時には外国からの人と接する機会も増え、異なる考え方の人々の中で暮らして行かねばならない。そのストレスから癌や病気になることも格段に増えただろう。

 

医療技術が進歩し、昔は治らなかった病気が治るようになったから長生きできるようになった、という部分は大いにある。それで命が助かった人は多いだろう。しかし、余程気を付けていなければ、自然に100年生きることが逆に難しくなったのではないか。日常にある食べ物には常に警戒しなければならないし、日常での乗り物の事故には気を付けなければならない。そして、違った考えの人と常にストレスなくスムーズに交流するよう気を遣わねばならない。

 

時代と共に、人間生活は良くなっていくかと思いきや、そうでもない。何とも摩訶不思議な時の流れである。