消費社会からの脱出

おりんを磨きに出したら、ピカピカになって帰ってきた。線香の煙に長年晒されくすんでいたのだが、正に蘇ったように金色に光るおりんに戻っていた。凄い職人技だ。元々は買い替えようかと考えていたのだが、今使っているものを磨くこともできると紹介され頼むに至った。

 

昔は良いものを磨き修繕しながら長く使うのが普通であったのであろう。他の仏具もよく見ると修繕しながら使えば自分が考えるよりはるかに長く使えそうだ。現代の消費社会に慣らされていて、古くなったら買い替えという考えが身についてしまっていたことに気付いた。コンピューターや家電は高価なものでも進化していくので年数が経てば買い替えでも良いだろう。

 

だが、日本に昔からあるものは用途も変わらず良いもので作られているから、汚れたり少し壊れたりしてもそれを直せば永久に使えるのだ。そういう目で物を見て良いものを大切に使う習慣をもう一度取り戻そうと、ふと思った。