本当に車に問題はなかったのか

一昨年前であったか、株主総会が普通に(感染対策なしで)開かれる状態であった年、某会社の株主総会に出席した人がいた。〇リウスを製造販売している会社だ。

 

株主質問で、ある株主が挙手し指名されたので発言をした。自分は〇リ〇スを所有しているが、一台壊れたので、修理に出したのだが全然戻ってこない。問い合わせをしても何だかんだで、一向に進まなく返ってこない。二台持っているので、その二台目を使用していたが、それも又壊れた。「二台もですよ、二台も!」との剣幕。そして仕方がないから、レンタカーを借りる羽目になった、と。かなりのお怒りだったらしい。ついでに、「ハイブリットだから買ったのに、ガソリン車より燃費が悪い。ガソリン車よりもですよ!」とこれまた、とても怒っていたという。

 

その後も、その怒りは収まることなくあれやこれやと永遠に続きそうだったので、途中で、議長の社長が「。。すみませんが、後で個別に見せていただいて宜しいでしょうか。。」等とたじたじで、その株主の発言途中に割り入ったという。

 

その一言で、他の株主達から拍手がおこり、まるでその株主が悪いことを言っている(個人的なことを社長にぶつけ、総会を邪魔している)ような雰囲気になったので、その株主は発言を止めたということであった。

 

これを聞いていたので、また同じようなことが起こっているなと思っていた。

 

池〇暴〇事故での裁判の件、被告は最後まで、車(プ〇ウス)の不具合が事故原因であると主張されていた。ところが世論は、車のせいにするなんて酷い、製造メーカーが迷惑を被っている、とその被告を強烈に責めたてていた。車の不具合、特にもしブレーキ等重要な部分に不具合があれば、大問題だ。その車は殺人兵器になり得るのだから。どうして、世論は、それは疑わないか。世論はほぼ完全に製造メーカー側の味方だった。

 

判決では「車に異常は認められず、故障をうかがわせる事情も一切認められない」と退けたという。一体だれが(どこの組織が)、どのような体制で検査をしたのか。それについての記事は見当たらない。又、「一切」と言う断言がどうしてできるのか。

 

今回の被告は上級国民という呼ばれ、それが故に世間からこれ程までに叩かれているように見える。もし、車に不具合があれば製造メーカーも一緒に責任を取らなければならない。この世論を利用して、大きな組織が、非力な個人に矛先を向けさせたと考えてもおかしくはないだろう。この方向の意見がないのが、非常に不可思議にも思える。

 

今回の判決は国民感情を考慮した形であるという。世論は、あまりにも一方的だったと感じるのは自分だけだろうか。その被告を悪人呼ばわりすれば、人々の合意を得られるという感情から来ている発信も多いと推察する。人々の憂さ晴らしを向ける先になってしまっている感は否めない。

 

自分が言いたいのは、世論や原告が言っていることが間違っている、ということでは決してない。その車の検査は、本当に公正に行われたのか、と言う事だ。その検証をしたか、という記事がないのはおかしくないか、ということだ。

 

ちょうど昨日、その車(〇リウ〇)等39車種に不具合があったとして、その会社がリコールを国土交通省に届け出たという。「制御プログラム等に3件の不具合」とあるが、具体的には何だ。実は、殺人兵器と化す可能性があるなどと言うことがあっては困る、では済まされない。

 

国民は、一時的な感情や、皆が言っているからその人を責めても怒られない、とか同意を得られるからという理由で、個人を中傷してはいけない。あまりにも声が大きくなり過ぎて、本質を見落とす、肝心なことが隠されることもあることを考慮に入れておかなければならない。